ぬるいアートめぐり備忘録

絵を見るのも描くのも好きだけど特に知識などはなく、目の前にある作品が 好きかどうかっていう感覚でしか見てないけど、とりあえずメモっておきたいというブログです。

活動のデザイン展

www.2121designsight.jp

何ヶ月も前のものを平気で載せるブログ。投稿日時いじれるみたいだけどもういいや…


この展示のメインビジュアルは、大勢の人が笑顔で集合しているところを俯瞰して撮影した写真。端に小さく書かれてる文字などは全く目に入ってなくて特に気になることもなかったし、正直 「活動のデザイン」という言葉にもピンとこなかった。 気が乗らないまま、でも一応、と、終わる三日前にやっと足を運んだ。


会場に入って、ふーんて思いながら見ていて、1 番広いエリアに入ってすぐのところにあった展示に興味を引かれた。「ロースさんのセーター」だ。壁に大量の手編みのセーターの写真が展示されてあり、それを見始めたところで楽しげな音楽が聞こえてきた。見ると、壁に映し出されたスクリーンで人々が楽しそうに踊ってる。

踊る人々やそれを家の窓から眺める人々、そして時々写る、用意された豪華な椅子に腰掛けた高齢の女性。この人がロースさんか。それを理解して初めて、ポスターの写真に写っていたのがこの人達だと気付いた。鈍い。そして泣きそうになった。

60 年かけて誰にも袖を通されることなくひたすら編み上げられてきた個性的でカラフルなセーター達が、踊 って飛び跳ねて、音楽を奏でて楽しそうに動いている。ロースさんも嬉しそうだ。これだけで来て良かったと思えた。編んだのは全部で 500 枚以上だとか。


他の展示はサクッと総括すると、先へ進んでいく人、進みながら得たものを後ろに差し出す人、様々な方向の“活動のデザイン”を垣間見ることができた。見て初めて、なるほど活動のデザインてこういうことなのねと思った。(ほんとに理解できてるのかしら...) 自分には何ができるのかな?と思った。

展示をみて心を動かされると、思考も回りだすような感じがする。疑問が残ると考えようとするからかな。 なんでこんなに惹かれるの?この作者はどうしてこういう表現をしようと思ったの?など。

 

帰りはミッドタウン地下で親子丼を食べた。卵と鶏肉は普通の鶏と名古屋ナントカの鶏を使ったものがあって、何故かさっき見たデザイン展を思い出して、食べるものが選べるということが大変な贅沢に思えた。 「今日は食べられるかな」じゃなくて「今日は何食べようかな」と考えられるのは幸せ。

きっとたくさんの人を巻き込む活動なんか一生できないあたくしでした。